今年、私は双子の女の子の孫に授かり、合計4人の孫のおばあちゃんになりました。命の誕生、その瞬間にめぐり逢え、「命が産まれるって何と尊いことなのか」と、自然の不思議さにつくづく感動しているところです。

孫を持つ年齢になり、最近ますます自然が好きになった自分を感じています。山でも森でも、近所の公園でも、見上げれば空は青く、高く、風はやさしく頬をなでていきます大地には、大地にしっかりと根を張って立つ大樹があります。そして巨木に寄り添うように少しの風にもユラユラと揺れる苗木が立っている。木にも大人と子どもがいる。かわいい苗木は、きっとこれからさまざまな試練を経て大樹に育っていくでしょう。「人の都合で切られたりしないといいね」。思わず声をかけたくなる小さな自然です。

私は3人の子の母であるのですが、若い頃は一日を過ごすことに夢中で、子どもからの発信を受け止めるアンテナを持ち合わせていませんでした。自然の中に身を置いて振り返ってみると、「大切な乳幼児期に子どもたちを無償の愛情で満たしてあげただろうか」とよく考えます。大人の私ですら、さみしさや切なさを癒やして欲しいと、無意識のうちに誰かに愛情を求めているのだから、子どもだったらそれはなおさらのことでしょう。

私は57歳、人生の中間地点はもうすでにUターンしています。「ちょっと待って! まだUターンしたくないよ」と、どんなに叫んでも自然はまってくれない。でも、これでいいのです。大樹だって精一杯、苗木の親として、無償の愛を与え続けている。葉を茂らせ、程よい木陰をつくり、実を落とし、土に養分をまき、そしていつの日か枯れて土になり、その代わりに苗木が育っていくのです。人間も同じ。私に出来るのは人として親として一生懸命歩いて行くことだけ。それが子どもたちに明日を託すことになる。その当たり前のことの大切さに改めて気が付いた今日この頃です。


子どもたちは「オギャー」と産声をあげるその前からもその後も、お父さんお母さんから無償の愛情をいただいて、お兄ちゃん、お姉ちゃん、おじいちゃん、おばあちゃんからもいただいて、育ち育てていただいてほしい。地球の自然や人類の未来を育む大切さを感じ、自分に出来ることは何かと自分で考えて、自分の足で、友達と一緒に歩いていく人間に育ってほしい。そう心から願います。そのためには、乳幼児期に親と子が時間と心を共有することができる生活が必要です。どうぞ、若いお父さま、お母さま、子どもたちをしっかり抱きしめてあげください。遊んであげるのではなく、一緒に遊んでください。絵本を読んだり、折り紙をしたり、工作をしたり、土遊び水遊びをしてください。

「子どものことだけを考える時間を月に1回2時間持ってみませんか」こんなふうに誘われて参加し始めました。この「母と子のつどい」を通 じて、私も子どもたちも、たくさんの人と出逢えてお友達になれました。

「母と子のつどい」が初めてというお母さん、ちょっとの勇気で十分です。自分の暮らす地域で『母と子のつどい』を開いているお母さんでも、生涯学習ボランティア交流センターの担当の人でも、誰でもかまわないから「母と子のつどい」について尋ねてみてください。その一声が、踏み出す一歩が、かけがえのないお子さんへのプレゼントになるはずです。