|
『私っていったいどんな人間なんだろう!』 そんなことを考えさせられた未だに忘れられない出来ごと。 それは23年前のことでした。当時8歳の息子がお友達の家に遊びに行き、お菓子を頂いて帰宅した時のこと、分けることもせず一人で食べるのを見て何で自分のことしか考えないのだろうと一瞬困った思いになりました。このことを親しい友人に何気なく話した時「それは貴女が悪いのよ『お母さんはいいから食べなさい』と、いつも分けあう生活をしなかったからよ」と、全く思いもよらない言葉が返ってきたのでした。本当にその通 りだったので、私は何も考えず毎日無意識に生活していたことを、その時思い知らされたのでした。それ以来多くの方の生き方や考え方を学びたいと思うようになり、毎月地域の人をお互いが誘いあって智恵の交換の場をつくり、今日まで続けてまいりました。毎回何気なく話してくださる日常生活の内容は、びっくりすることの連続でした。深い悲しみや苦しみを胸の奥に秘めた話などは墓場まで持っていくつもりだったという方に、何人もお会いし親しくなっていきました。そして、私自身が成長させていただけた意義深い場となりました。 回数を重ねる度に、かけがえのない数え切れない大切な友を得ることができたこと、その友の輪は今も広がり続け、私の人生を豊かなものにしてくれています。人から人へと声をかけあい集まり学びあったことで、『親の無意識な心が子どもの人格になり親の無意識な行動が子どもの人生になる』という命の不思議さを学ぶことができました。 ここに私が学びあいの場での出会いや実感のほんの一部が平成9年から12年までの3年間くらしのこころ学全国協議会機関紙「こころメッセージ」に連載されたものです。 |